第29話 選挙
きららの覚え書き 【キーワード】 ウエッジ・イシュー(くさびになる話題) 国旗 選挙 大衆 プロレス 実感 【こんなようなことが書かれている(主観によるあらすじ)】 基地帝国の大統領選挙。 メディアが、大衆が話題にするのは「ウエッジ・イシュー」、対立候補の支持率を下げるための話題(国旗、同姓婚等)。 きまって「バカ」とされる大衆は、実はそれほどバカではない。 大衆の信じる力で熱く盛り上がるプロレスのように、選挙で盛り上がれないのはなぜか。それはそこに実感がないからだ。 その実感を、灰色の都合のよい形で感じさせるために使われるのが「ウエッジ・イシュー」。灰色に害のない小さな話題で大衆たちを満足させることができる。 そして人びとはささやかな話題で敵と味方にわかたれる。 ✦ きららさんへ 覚え書きを読みました。オバーマ氏の再選が決まりましたね。 一番うなずいた点は「投げてよこされたごみを使って住み処をつくる、そしてごみの中で眠る」という部分でした。 私たちにはたいした材料は与えられないけど、私たちは工夫をして「楽しい我が家」をこさえます。少しずつ足したり引いたりしながら。夢見ながら。 私は信じている。私の信じているものが、みんなの信じる力で飛ばされるものであるべきことを。 それでも無力感はどこにだって満ちています。私のいる小さな場所、いちいちどこにでも無力感がつきまとう。 「自分にはできることがない」「自分は卑小な存在だ」・・・それは誰かからの指令。どうにかそれをはねのけたくて、私は私の小さな場所で、いちいち手を挙げ続けています。 そこにいるのに、いないことにされる。愛があるのに、ないと決めつけられる。そういうことに、いちいちつっかかっていく。ささやかな戦いです。でもささやかな戦いにすら参加しなくなったら、私の居場所はますますなくなっていきます。 どうしてプロ野球には熱中できるのに、世の中のことには熱中できないのか・・・ずうっと前に小沢さんが問いかけた問題に対する答えがこの覚え書きには書かれていると思いました。 でも確かにまだ、ここ絵本の国でだってこの手で世の中を押して動かすことはできる。たとえば原発政策のパブリックコメント。No Nukesの音楽イベントのパワーも本当にすごかったん