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灰色とは?


『うさぎ!』の全編に流れる「灰色」との戦いというテーマ。
「灰色」について少し考えてみる。

「金というのは奇妙なものだ」と彼は続けた。「まとまった額になると、金は一人歩きを始める。自らの良心さえ持つようになる。金の力を制御するのは大変にむずかしくなる。人は昔からいつも金で動かされる動物だった。人口の増加や、巨額の戦費や、日増しに重く厳しくなっていく徴税――そういうもののおかげで 人はますます金で左右されるようになっていった。世間の平均的な人間は疲弊し、怯えている。そして疲弊し怯えた人間には、理想を抱く余裕などない。家族のために食糧を手に入れることで手一杯だ。(…)
 レイモンド・チャンドラー著『ロング・グッドバイ』

金というのは奇妙なものだ。金は一人歩きを始める。…これは古い小説の中でかなりのワルでタフなボス立場の男が語る一節である。

この感じ、これがすごく灰色と近いのではないかと思っている。

灰色=金(かね)だとは単純に言えないのだが、すべてのほころびはここから始まっていると、『うさぎ!』の著者もとらえているように思う。

金は不平等をつくりだし、差別を、戦争を、あやまちを、たくらみを、ずる賢さを、罠を、裏切りを、「富」を、「貧しさ」を、…いろいろなものをつくりだしてきた。

そして私たちは金の支配力がどんどんと増強し続けた先の世界に住んでいる。

灰色は人びとをコントロールして、考え方をねじまげ、考えることをやめさせ、思うことや希望することを奪い取りながら大きくなってきた。そして今も大きくなっていっている。

灰色に取り入る小判鮫のような人たち(『うさぎ!』で言う「灰色の手下たち」)は、拾われては捨てられ、代替わりをしながら少しずつ数を増している。 

『うさぎ!』はこの大きな力に対抗しようとする。

どんなふうに?まずは気づくことで。そして考えることを始めることで。

私たちは気づくことも灰色に奪われている。それを『うさぎ!』が初めて教えてくれたことだった。

物を買わされ続けている私たち。都合の悪い汚染について目が行かないようにコントロールされている私たち。白人優越主義に気づかないように仕向けられながら差別を当たり前のものとして受け入れさせられている私たち。

気づいたら、考えざるをえなくなる。

そして『うさぎ!』はその場所に仲間がいることを、示し続けている。



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以下、各話のタイトルは著者による表現ではありません。
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春の空気に虹をかけ 感想文

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