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魔法的を語り合う

目次 伝説の? 呪文 メッセージ 時間を変質させる振動 子どもと魔法 話し手、聞き手 オリーブ育ち・春日ひまわり、ティーカップの女の子・チャ ✦ 縦書き版はこちら チャ「魔法的よかったね。」 ひまわり「よかったよね~。特に新曲が。」 チャ「みんなそう言うね。」 伝説の? ひまわり「でもさ、『今日ライブ行くんです』『誰の?』『オザケンの』って言ったら、相手はね、ことごとく『……』ってあっけにとられた顔で言葉を失うんだよね。」 チャ「『え……? あの?』みたいな。」 ひまわり「そうそう。みんなの中では、昔の神話の登場人物くらい遠いみたいで。」 チャ「あー……ね……。」 ひまわり「『今は子猫ちゃんって言わないんだってね。』とか。オリーブを読んでた友達からは、『おー! オザケン元気にしてる?』って聞かれた。彼女たちにとっては、けっこう近くて、少し遠くに住んでる遠い親戚の兄ちゃんくらいね。  今の小沢健二さんの音楽は説明しにくくて困ったよ。ライブのあのよさを、伝えるのが難しくてさ。」 チャ「そうね…。昔とは違うんだけど、エッセンスは同じって感じかな。あえて言うなら。あとは『大人になってたよ!』とかか。」 呪文 ひまわり「今回のライブで一番印象的な心象画像は、スクリーンに映った歌詞。あの圧倒的な文字量に、とにかくまずすっごく圧倒された。」 チャ「難しい漢字もいっぱいだったね。」 ひまわり「魔法って……どこかまがまがしいでしょう。怪しげな、でもだからこそ気になる、惹かれるっていうか。  あの、文字が歌より先に来る演出はかなり呪文ぽくて、本能的にやばいことが始まる感が出てた。」 チャ「あれだけ先にガンと来られると、つんのめるよね、気持ちが。前のめる。」 ひまわり「だからかな、実際に演奏が始まると、歌はスローテンポだったりするんだけど、煮詰まった濃い感じがしたよ。  でも、歌詞が攻めてきて、前奏を心安らかに楽しめないという……。」 チャ「覚えなきゃ! ていう。」 ひまわり「ねー。次録音出るのいつかわかんないしね。」 チャ「でも歌詞が目で見えると、その歌のメッセージがわかりやすいよね。」 メッセージ チャ「今回のメッセージって...

魔法的

ツアーをお楽しみの皆さまこんにちは。春日ひまわりです。 東京2日間が終わり、今頃になって「ツアーなんだ」の実感が身に染みてきました。 皆さまもお出かけをご計画中のこととお喜び申し上げます。 あまり読み過ぎないようにTwitterを見ていると、どうやらとても評判がいいようで楽しみも増しますね。 かく言う私は参加が際どいのですが、何とかやりくりできればと思っています。 会場ではメモをされた方もいるようで、私もメモ帳を持って参加したいなと思っています。 どんな言葉の切れ端でも、書き殴って帰ってきて、後で見返したいです。 ともに楽しみましょう。Enjoy!

2016年春のうさぎ!

すっかり暖かくなりました。 春の「子どもと昔話」が手元に届きました。 今回、エリザベスさんのフォトエッセイはなく、また「うさぎ!」は番外編としてmitsukiさんの寄稿が紹介されています。 小沢健二さんは5、6月に日本でツアーをする予定で、もしかするとそちらの準備でおいそがしいのかもしれませんね。 安定の牧子さんのエッセイも要チェックです。 不意に土踏まずをマッサージされたような、ほのあたたかい読後感が味わえるのが「子どもと昔話」の魅力だと思います。

うさぎ!読者の1人として

こんにちは。 2012年から始まった「小沢健二のうさぎ!を読む」ブログはめでたく4年目を迎えました。 これも読みに来てくださる皆さんのおかげさまでございます。 2012年と言えば小沢さんが東京で歌った年です。今年2016年の初夏にも日本ツアーをされるそうですので、思い返せばいろいろと考えさせられます。 私事ながら4年で子どもも大きくなりました。小沢さんの息子さんも大きくなられたことでしょう。大人の私は相変わらずな感じですが、子どもたちは4年で様変わりしました。 また、同じ頃フリーライターとして活動を始めた私は、幸運にもいくつかお仕事をくださるお客様とも出会え、ぼちぼちとこいそがしい毎日を過ごしています。 仕事のほか、親やPTAや自治会の仕事など1人何役かを命ぜられ、「大人って大変なんだなぁ」としみじみする日々、季節ごとにふいに届く『子どもと昔話』は私の生活に風を吹き込んでくれます。 時にごうごうと、嵐のように。時にそよそよと、春風のように。 多くのうさぎ!読者の方にとってもきっとそうなのではないでしょうか。時がとまるような、時がその速度を遅らせるような、そんなひとときが季節に1度必ずやってくるのです。 最初に『うさぎ!』を読んだ時にはこんなこと予想もしませんでした。でも今は、区切りで立ち止まらせてくれる(または走り出させてくれる)『子どもと昔話』に感謝の気持ちを持っています。 「これでいいんだな」と思う時もあれば「これじゃいけない」と思う時もあり、成長しているのか退化しているのか自信がなくなることもしょっちゅうですが、『うさぎ!』を読んで明らかに私は変わったと思います。 多くの読者の方もきっとそうでしょう。 これからも『うさぎ!』掲載『子どもと昔話』が紡がれ、私たちの生活にはっとさせるような風と空気を送り込んでくださることを願います。 また時にはこのブログにも遊びに来てくださいね。 春日ひまわり

2015年秋の『子どもと昔話』、うさぎ!始めにおすすめ

12月になりました。 『子どもと昔話』2016年冬号の発行も間近ですね。 2015年秋の『うさぎ!』、その前の号でも、物語の登場人物であるうさぎくんが、「講義」をするかっこうでお話が進みます。 うさぎくんは、そぼくで、ゆかいで、ちょっとくいしんぼうな男の子だと私は思っています。ちょっとだけ小沢健二さんに似ているのかも。 そんなうさぎくんが、「みんな」に向かって語りかけます。「DIYという言葉があちこちで使われるのはなぜか」。 ユーモアたっぷりの講義がとても楽しく、わかりやすく進んでいきます。 もしかしたら今は、『子どもと昔話』の始めどきなのかもしれませんよ。 そんなわけで、オンラインショップでの取り扱いをご紹介。 e-hon みなさんの日常に、昔話とオザケンを取り入れてみませんか。

子どもと昔話64(うさぎ!39話在中)を読みました

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2015年夏号の「子どもと昔話64」。 2015年7月中旬に、ポストに届いていました(定期購読中)。 中には本誌と、郵便局の振込用紙。購読を開始してから1年経ち、継続の払い込みの時期になっていました。 生の歴史、ガラスの中の歴史 届いて、まず読んだのがエリザベス・コールさんのフォトエッセイ。 ラオスに残る爆撃現場の瓦礫。ガラス棚に陳列されていない、生きた歴史を切り取った写真です。ガラスの展示の中や、教科書の文章の中だけに「正しい歴史」があるという、私たちの認識への問いでした。 それから、下河辺牧子さんの「老いの場所から」。家事、「良か仕事」についての文章でした。家事労働を担う身に染みるお話でした。 そのあと編集長の「日本を見つめる」を読みました。そして、世界の日本の昔話の内容を確認し、「うさぎ!」を読み、今に至っています。いまだ読書中…。 DIYについての講義 今回の「うさぎ!」には、うさぎくんがメインで出てきます。特別好きな登場人物です。 「DIY」についての、うさぎくんからの講義が展開されていきます。 日頃、自分の服や子どもの服などを、ミシン(ブラザー製)で縫っている私にとっては、「そうなんですよね!」と強く頷ける内容でした。 手づくりすることで得られる結果。 椅子をつくることで開ける、新しい世界。 手づくり、DIYは、身近ながらかなり強く、手応えのある、抵抗手段のひとつである気がしてきました。これからも積極的に続けていきたいと思います。

小沢健二の『うさぎ!』とは?

小沢健二さんと言えば、1990年代に「渋谷系の王子様」として人気を博した、日本のシンガーソングライター。1994年のセカンドアルバム『LIFE』が大ヒットしたことは、2015年現在の30代、40代の多くの記憶に残るところではないでしょうか。 紅白でも歌われた『ラブリー』や、スチャダラパーとコラボレートした『今夜はブギー・バック』といった楽曲は、多くの日本人にとって懐かしい「大衆音楽」であるはず。 また、世界的に有名な指揮者の小澤征爾さんが彼の叔父さんであることは、周知の事実であることでしょう。 2010年には全国ツアー『ひふみよ』、2012年には東京オペラシティでコンサート『東京の街が奏でる』を公演。同2012年には『ひふみよ』のライブ音源CDや近著などを綴じた、作品集『我ら、時』をリリースしました。 2015年現在、小沢健二さんはニューヨーク・マンハッタンに、奥さまのエリザベス・コールさん、息子さんの凜音さんとともにお住まいであると風の噂に聞いています。 さて、そんな小沢健二さんは、現在も日本の雑誌等に寄稿するなど、日本語での文筆活動を続けています。なかでも、季刊『子どもと昔話』に連載中の寓話『うさぎ!』には、原子力政策に関する文章や、日本とアメリカの関係を模した「絵本の国」と「基地帝国」との関わりを論じた文章など、興味深い記事が登場。「うさぎ!」を読む会が日本各地で開かれるなど、小沢健二ファン以外も魅了する小説となっています。 小説『うさぎ!』には「うさぎ」という男の子が登場します。友だちには「きらら」「トゥラルパン」という女の子。鋭い観察眼を持った彼らは、「隠された事実」にその手で触れ、その皮を引き剥がしていきます。 様々な気づきを与えてくれる『うさぎ!』。著者の小沢健二さんはどこかの記事で「ずっと続けたい」とおっしゃっていました。「100年、200年後に、『ああ、こんな人がいたんだな』と思ってもらえたら」ともおっしゃっていたような。そんな気持ちで執筆されているようです。 『うさぎ!』に興味を持たれた方へ。小沢健二さんのお父さんである、小澤俊夫さんが設立した「小澤昔ばなし研究所」が発行する季刊『子どもと昔話』は、メールオーダーや定期購読、ホホホ座などの一部書店で手に取ることができます。