第33話 広告は若者に忠誠心を植え付ける


第30話から第33話まで、広告について論じられましたが、
うさぎいわく「広告の話は一旦おひらき」だそうです。

今回は広告のターゲット層は
若者である、というところに
焦点が当てられました。

なぜ?

広告は、
実体験から広告のからくりについて知識があり、
買う物がある程度定まっている
年配者をターゲットとして好まない。

広告は、
経験が不足していて頭が柔らかくてメディアの影響を受けやすく、
買う物や欲求が定まっていない
若者をターゲットとして好むから。

「うさぎ!」は、
それを悟られないために
広告やメディアが彼らを「持ち上げる」手法すら
確立していると指摘します。



ブランド・ロイヤリティー(ブランドへの忠誠心)に言及した箇所に
特に「そうだよなあ」と思いました。

確かに着る服についても
「ブランドAを着るか、ブランドBを着るか?」というのは
雑誌の特集として成り立つけど
「ブランドAを着るか、それとも自分で縫うか?」というのは
雑誌の特集として成り立ちません。

「ブランドAを着るか、それとも母親のお古の着物を着るか?」も
しかり。

化粧品でも、
スマホでも、
おもちゃでも同様です。

メディアがまず仕立てる「舞台」や「足場」がどんなものなのか、
それを認識してから、議論について目を向ける必要があるんだなあ、と
あらためて思いました。



たびたび「うさぎ!」では広告やメディアに関するテーマが
扱われます。
その影響力が巨大だから、というのも理由のひとつなんだろうな。

人に「自分が自由だ」と思わせることで人の心を影響下に置く、
という手法さえ、広告の世界では常とう手段であるそうです。

巨大な金を引き連れて暗躍する「広告」は、
「うさぎ!」のいう「灰色」の大きな部分を占めているのかもしれません。

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