第9話/坑廃水


沼の原大学の構内で、ビーツ(赤蕪)とアボカドのサラダをつくるうさぎ。

大学に寝泊りしている人びとが、そこから近くの木陰でテーブルを囲み話をしています。

酸性坑廃水の問題
「最も貧しい」国とされるラオス国
豊かな土地、山に残された不発弾
水という資源がなくなる未来

「もう古いの計画・食べ物編」
循環型の暮らしが、野蛮な小大陸からの侵略で壊された

“「痛みには、何かを変える力がある」”
きららは、痛みとともに生きたいと、笑います。



ひふみよ上で一部抜粋が掲載されています。



これから水を奪い合う時代がくると、『うさぎ!』は予言しています。

あまりにも鈍感にさせられている、水の問題。私たちの生活が直接にその惨状の引き金になっています。


酸性坑廃水のお話を読んでいて、似てるなあと思ったのが、原発のことでした。

福島の大事故から、大量の汚染水が生じた。

最近汚染水処理装置ができて、400日で福島第一の汚染水約20万トンを処理できるそう。処理後に出る樹脂を専用容器で保管する。(参考:msn産経ニュース

事故が起きた場合、この汚染水は海に流れ込んだり、土地に浸み込んだりして、水を汚染する。福島の事故のときも、事故直後の緊急事態では海に流されたりしていた、と本で読んだ。


処理後の産物は何万年と影響を残す。

それから原発には冷却が欠かせない。

海水や川の水で冷やす、大気で冷やす。冷やすというのはあたためるということ。海を、川を、空気をあたためる。水をあたため、生態系を壊す。

電気をつくるために。基地帝国の機嫌を損ねないために。


水がなくなる原因は農業と鉱業、とラオス国からきたヤンが指摘しています。

絵本の国はそれを浪費している国の中でもトップクラス。

何かを考え直さないわけにはいかない。


まずは麻痺させられている感覚を、取り戻すこと。そして、痛みを感じられる体(心)に戻ること。

そこからじゃないかと、きららは言う。

その通りだなあ、と私も思う。


経済学はコストを計算しないということに関連して思いついたこと。

とある数学者はエネルギーをつくる方法としての原発は、他の方法(火力とか)よりはるかに安全だと計算するらしい。

それは、その方法をとったことによる死者が少ないからだそうだ。過酷な事故が起きることを含めても。

土地や水を汚しても、地をはう生き物たちが消えても、数十年戻れない土地を生んでも、何十万年も毒を吐くごみを出したとしても、「安全」だと。

どう思うだろうか。私たちは痛みを感じることさえ禁じられているんだろうか。

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