第15話/パレスチナ問題


きららは、友だちの住むオルドン国に行った夢を見る。

ガザで始まった殺戮。

友だちのおばあちゃんや親戚が住む町で。


「難しい問題」と片づけられてしまうパレスチナ問題
「ユダヤ人の二千年の悲願」というキャッチフレーズ

「テロリスト」と決められていたマンデラさん
「非暴力」の代名詞のガンディーさん


家も建てられず、十分な物資も病院もなく、壁に囲まれた場所に押し詰められて暮らすガザの人びと。



日本はパレスチナを国家として認めていないので、「パレスチナ自治政府」という名称を使う。ハマスは「イスラム原理主義組織」。(参考:外務省

国連加盟国193のうち、パレスチナを国家と認めているのは126。

『うさぎ!』では国連総会での投票の結果、大多数が「イスラエル国の占領を違法」とする決議に賛成している、と指摘している。


「難しい問題」ととらえられているパレスチナ問題について、第15話は分かりやすい、明瞭な形で語りかけてくる。

村上春樹さんのエルサレム賞受賞時のスピーチ、「壁と卵」と同じ感触だった。


分かりやすく語ってはいけない問題らしく、どのサイトを見に行っても、よく分からなかった。一番しっくり来る話は個人のホームページに載っていた。それと、村上さんの演説。


きららが第9話で言っていた。
“「きらら、『テロ』をなくすには、どうしたらいいと思う? 『貧困』をなくすには、まず、どうしたらいいと思う?」
「『テロ』を作り出すのをやめること。『貧困』を作り出すのをやめること」きららが言います。”
第15話を読んであらためて、その通りだな、と思う。

手元にある新聞にも。
イスラエルはアメリカの「同盟国」。オバマ氏、ロムニー氏、ともに「世界で最強の軍隊」を維持し、「強い米国」路線を主張。(2012年9月28日、中日新聞朝刊)


強い者が物差しになる。強い者の判断が常に「正しい」とされる。

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