第12話/NPM
風がたどりついたのは銅山の国の骨董屋さん。うさぎたちが行きつけにしていた御店。
風と、虹の風は、街でのあやしい動きについて話をします。
見慣れない警官が他の街からやってきたこと
水道の民営化が動き出した
民営化されると人びとはどう扱われるか?NPM(New Public Management、新しい国民の取り扱い方)
重要な報道は、重要でないが耳目をひく報道にタイミングを合わせて行われること
イラク戦争、NPR
道路の封鎖
水道の民営化に反対する国一揆連合と市の代表者による話し合いに、重要な動きがあったようです。うさぎたちは真夜中、話し合いの行われている市役所へ向かいます。
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おばあさんが水の街を行く。
水の街、私の住む街です。
おばあさんは荷物車をひきながら、ゆっくり、ゆっくりと進む。
横断歩道のないところを横切る。歩道ではなく車道をゆく。ゆっくり、ゆっくりと。
友だちが「牛か馬が行くような感じだよね」と笑っていた。自動車はそれを遠巻きによけながら、速度を落として通り過ぎる。不思議とクラクションは鳴らない。
道は誰のもの?市のもの?県のもの? いや、道は私たちのもの。
まだその意識が少し残っている気がする、この街。
民営化といえば、郵政民営化を思い出す。
350兆円の資金を市場に投げ出しなさい、か。
先日その郵便の企業からきた手紙は、「以前と何も変わりません。手続きも何もいりません。安心してください」という内容だった。
以前、新聞の紙上におどっていた「郵政民営化」の言葉は、今見る影もない。
深遠な思想にふけるばかりの、この国。
風は、絵本の国のことを思っている。
可能性のある国、何かを秘めた国。『うさぎ!』は絵本の国(日本)を、鍵を握る国として語る。
世界のあちこちで、著者は絵本の国のことを思ったのだろう。そして、変化したら大きなものへ化けそうな可能性を感じている。
絵本の国に住む私たちが気づけない、可能性に。
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