第35話 戦後の再デザイン
戦後の絵本の国と基地帝国の関係について紐解いた第34話に続き、基地帝国による戦後の世界の再デザインが考察されていきます。 本話は、四面楚歌であった戦後の絵本の国を、基地帝国がどう利用していったか。ドル札の使い手として、絵本の国を育て上げていったいきさつを追っています。 特に印象に残ったのが「魔法の杖」。その言葉さえ振りかざせば、人が、世界が服従する魔法のキャッチフレーズ。それが、いつの時代にも、都合のいい「敵」をつくりだし、人々をある方向へ向かって駆り立てるという点でした。 確かにニュースを見ても新聞を見ても、そんなキャッチフレーズが見つけられるように思います。歴史の教科書にも。 絵本の国は、ある時期まで、戦後「おもちゃと陶器だけ」生産することを許された、そんな国になりそうだった…。こんな話、今まで聞いたことがありませんでした。 見ようとしても見えない、裏側の本当の話。それを暴いてくれる『うさぎ!』は、稀有な存在のフィクションだとあらためて思いました。